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Directed and Produced by
純谷吉松(Itoya Kichimatsu)


■2005年01月のニュース一覧
▼[2005.01.31]スーパーの鼓動
▼[2005.01.29]thats too eXlite
▼[2005.01.27]愚劣な組織,その2
▼[2005.01.25]身支度を整えて
▼[2005.01.23]snap, snap, snap
▼[2005.01.21]至極優雅な友人関係
▼[2005.01.19]激流流転
▼[2005.01.17]ネズミの賛美歌
▼[2005.01.15]自己中心主義
▼[2005.01.13]10年後のメディア
▼[2005.01.11]新春ガジェ天
▼[2005.01.09]あしたの売り方
▼[2005.01.07]世界を包むもの

■2005年02月のニュース一覧
■2004年12月のニュース一覧


 
[2005.01.31]
  スーパーの鼓動


 ▼今年のスーパーボウル、広告の効果測定でブロガーに期待(ITmedia News)
  http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0501/28/news034.html


 昨年はiTunes ミュージックストアの曲をダウンロードできるキャンペーンを行った,ペプシ社の広告が話題だったスーパーボウル。そのキャンペーンは今年も行われ(TidBITSの記事),そして,ボトルを下からのぞけば当たりがわかる,ってのも,今年も同じようだ(Gizmodoの記事)わらい。

quote:30秒で2億7〜8千万円の広告料金となるスーパーボウルのCMについて,調査会社はブログでのコメントを収集することで,反響や効果をみようとしている。数百万人の自称メディア評論家となるブロガーに,広告主たちは注目している。昨年は過去最多の1億4400万人の米国人がスーパーボウルを観たと云われる。

 現在のNFLでは,ダイナスティを築くことはできない,とよく云われる。つまり毎年スーパーに勝ち上がってくるような常勝チームを作ることは不可能なのだ。チームはサラリーキャップというシステムによって上位51人の年俸合計金額が決められ,フリーエージェントによって選手は自由に移籍できる。優秀な選手を多数保持しておくことはサラリーキャップでできず,そして選手はフリーエージェントで移籍していく。そんななかで過去3年で2回もスーパーを勝ち,しかも今年もスーパーにコマを進めたニューイングランド・ペイトリオッツは異常なのだ。目を見張るような有名選手はひとりもいない,しかし負けない。コーチングスタッフによってすべてが動いているのが,明確にわかるチーム。面白みのない堅実さ。また今年も,わたしたちはそれをみせられるのだろうか?

 スーパーへの最終関門であるチャンピオンシップゲームで,過去3回連続して負けたフィラデルフィア・イーグルス。今年選手たちが4年目のチャンピオンシップゲームで,4本指を立ててファンにアピールしていたのが目に付いた。日本式に云えば4度目の正直をみてくれ,ということなのだろう。そして念願のスーパーへと進み出たフィラデルフィアだが,QBのマクナブは夢を果たしたような気分を引き締めるように,目標はスーパーを勝つことだと云い切る。チーム1の人気者であり,ずっと欠場していたTOことテレル・オーウェンズも戻ってくる。敵は強くおおかたの予想ではアンダードックだが,大鷲の飛び立つ姿を期待している人は多いだろう。スーパーは来週,日本時間で2月7日朝に幕を開ける。



 
[2005.01.29]
  thats too eXlite


 ▼eXeem Lite promises spyware-free P2P(The Register)【英語】
  http://www.theregister.co.uk/2005/01/27/exeem_lite/


 現時点で13,727ユーザー。10,647ファイル,4.63テラバイトの共有量。まだまだ,これからだ。

quote:エクシーム・ライトは,スパイウェアのないP2Pを約束する。アドウェアを含む公式のエクシーム(eXeem)のパブリックベータがリリースされた。アドウェアを除いたエクシーム・ライトもリリースされ,こちらは公式エクシームと違い,ワイン(WINE)を使用することでリナックス上でも利用可能だ。

 eXlite(エクシーム・ライト)を使っている。起動してすぐ使えると思うが(最初のシリアル入力欄は「×」印をクリックして閉じる),もし「New files」タブで「refresh」ボタンを押していつまで経ってもファイルリストが表示されないなら,マイエクシーム・コムのページにある「Newest eXeem Node List」を当てるとよい(pic)。これでバラバラとファイルリストが表示され(pic),ダブルクリックするとダウンロードが始まる(pic)。右クリックして,エクシーム・リンクと呼ばれるアドレスをコピーできる(pic)。これでウェブページなどからエクシーム上のファイルを落とし始められる。ファイルの持ち主,落としている人を特定するのは難しいとは思えない(pic)。たぶん匿名性のためになんらかのガードやフィルタが仕掛けられていることはないだろう。

 eXliteは,数日中にバージョン0.20をリリースするとサイトに書かれており,本家の改善点をそのまま引き継ぐだろうから,バージョンアップしていった方が安全だ。ただ海外のファイルが欲しいとき以外は,nyやshareから移行する理由は特にない(アプリの多さは驚くが)。日本語の名前のファイルをシードしても,文字化けで読むことはできないし,エクシームとエクシーム・ライトとの対峙が強まってくると,スパイウェアを拒否したいユーザーは居場所がなくなるかもしれない。という,eXliteの現状だ。(リナックス上で使用したい人はここらを参照)



 
[2005.01.27]
  愚劣な組織,その2


 ▼ACCS不正アクセス裁判、検察側は元研究者に懲役8カ月を求刑(Impress INTERNET Watch)
  http://internet.watch.impress.co.jp/cda/news/2005/01/24/6173.html


 最終的なわたしの結論は,やはりACCSという団体は愚劣な組織だと云うこと以外にない。

quote:ACCS(コンピュータソフトウェア著作権協会)のウェブサイトから個人情報が漏洩した事件で,不正アクセス禁止法違反で起訴された元京都大学研究員に対する論告求刑公判で,検察側は懲役8ヶ月を求刑した。判決は3月に云い渡される。

 前回わたしがACCSについてのテキストを公開してから,ACCSの弁護士と名乗る人物からメールが送られてきて,計17通のメールのやり取りを行った。全文紹介するスペースももったいないし,内容も非常につまらないので割愛するが,そのなかでわたしがそのテキストについて,ACCSが個人情報を流出させた罪をきちんと認識して,その責任を放棄していると補足したところ,先方からは「ACCSにどのような責任があって、それを放棄したのか不明です」という返答があった。普通に読んで,ACCSという組織は,自らが個人情報を流出させたことについて責任も感じてなく,認識する意図もないと読めた。個人情報流出(そのときの画像(pic,情報抹消済み))の被害に遭われた方たちが直接謝罪を受けたのかどうか知らないが,ACCSと云う組織は,よそではこんなことを云っているということをきちんと認識して欲しい。

 そもそも,自分の個人情報を流出された人にとっては,それが窃盗などの犯罪行為によって行われたとしても,よく最近の企業で云い訳のように使われる「ノートPCが盗難に遭いました」という理由にしても,はたまたACCSのように誰でも入手できる状態に個人情報を放置していたとしても,なにも変わりはなく,問題は流出させた企業・団体の態度でしかない。その点で,上記のような態度で,しかも自らのミスを指摘した人間に対し刑事裁判に至っている様子は,愚かというより社会的な団体としてあまりにも自覚が足りないだろう。このような組織は放っておいても社会から抹殺されるのは当然であり,それに金を使っている企業の責任も情けなく感じるほど重い。



 
[2005.01.25]
  身支度を整えて


 ▼Roaring laptop sales boost PC market(USATODAY.com)【英語】
  http://www.usatoday.com/tech/news/2005-01-23-laptop_x.htm


 衣服を着て,靴をはいて,PCを身に付け,キミに初めて出会ったカフェに。

quote:感謝祭から年明けまでに,米国の小売店は昨年より24%多くのラップトップPCを販売し,デスクトップは7%下落した。売り上げ1位のPCメーカーであるデル社の副社長は,デスクトップはそのうちなくなることをわたしたちは知っていると述べる。デスクトップとの価格差はなくなってきており,ラップトップにはデスクトップ並みのチップが搭載され始めている。昨年末には13万個所のホットスポットがあったという調査があり,Wi-Fiの普及によってどこでもウェブサーフィンができる。

 私事だが,正月早々にiBookの液晶がお亡くなりになり,数日我慢していたけど,やっぱり新しく購入してしまった(貧乏なのに)。iBookがエラク安いせいもあるんだけど,生活のなかで使い続けていると,ないと過ごせなくなる。わざわざ開かなければいけないのが難点だが,開きさえすればWi-FiとAirH"(これからはエアエッジでいいのか)で接続を続けられる。

 USATODAY.comの記事では,デスクトップはなくならないかもしれないけど,メディアPCのようなカタチに進化するかもと記事を結んでいる。まぁいまのデスクトップが完全になくなる日は遠いだろうが,個人的にはもうひとつ,持ち歩くのではなく,身体に密着しているPCが欲しい。携帯電話のような中途半端なデバイスではなく,身体に密着していつでも使用できるPC。空中に投影されるディスプレイ,音声操作(過去記事),常時接続,それでポケットに収まるサイズ,と云ったあたりがあれば十分だろうか。あと何年後に,そんな機器を身に付けられるだろうか。



 
[2005.01.23]
  snap, snap, snap


 ▼Memories gone in a snap(USATODAY.com)【英語】
  http://www.usatoday.com/tech/products/gear/2005-01-20-digital-memories_x.htm


 デジカメの画像を捨てない人には,2種類の人がいます。ひとつは横着で写真をただため込んでいる人。もうひとつは,大事にデジカメのシャッターボタンを押す人。

quote:色あせたスナップ写真が収められた箱が,米国のほとんどの家庭にはある。赤ん坊の写真,あなたが舞踏会に着ていった不格好な服装の写真,観光地の写真,など。だがデジタルカメラの簡単に押せる削除ボタンのせいで,この習慣は失われようとしている。現在,約5400万個のデジカメが使われており,デジカメは過去2年間フィルムカメラより売れている。デジカメの画像はハードディスクに保存されるが,遅かれ早かれコンピュータはクラッシュする。プリントされるデジタル画像は非常に少なく,写真は消えるだけだ。だがオンライン写真共有も爆発的人気で,ウェブショット・コムには毎日50万枚以上の写真がアップロードされる。しかし,簡単にみられて保存しておける写真は,尊い宝物だ。

 「なんでフィルムのカメラを使い続けているの?」と訊くと,リンは「なんでだろね。デジカメも使ってるけど,なんか,やり直しが効かない感覚が欲しいのかな」と答えた。「デジカメは気軽に使えるもんね」と同意すると,「キコはフィルムでも気軽に取るから失敗が多いんだよ」と笑う。わたしが怒ってると,

 「手ぶれしてる写真とか変な顔で写っちゃってる写真とかがプリントであがってくるとがっかりするけど,でも捨てられない。何年も経って,そんな失敗している写真の方が思い出深かったりもするし。不思議だね。あー,でもわたしだけかも。わたし,デジカメで撮った画像も全部保存してあるから」。「あっ,わたしもそうだ」と云うと「あんたのパソコンは画像が散乱していて,どこになんの写真があるかわからないけど?」「…ぅぅ。その通りです」「でもたぶん,捨てない気持ちはおんなじだよね。シャッター押すときの目をみてると,わかるよ」。



 
[2005.01.21]
  至極優雅な友人関係


 ▼進化する「脳−コンピューター直結インターフェース」(WIRED NEWS)
  http://hotwired.goo.ne.jp/news/technology/story/20050118301.html/


 友人は操作できるものではない。だから,。

quote:脳でコンピュータなどを操作する研究が,急速に進んでいる。サイバーキネティックス社の「ブレインゲート」では,車いすに座ったままでメールを開いたり,電灯を点けたり,テトリスのようなゲームで遊んだりできるようになった。ブレインゲートは右耳の上あたりに2mmのチップを埋め込み,頭部からプラグが突き出ている。身体に機器を埋め込まずに利用できる装置の研究に取り組む研究者もいる。四肢の不自由な人なら人生が一変するだろうが,これらの実用化はまだ先になりそうだ。

 アップル社のスティーブ・ジョブズ氏は,タブレットPCなどへの批判としてよく「コンピュータにはキーボードとマウスが必ず付いているものだ」と述べる。もちろん慣れがいちばん大きいのだけど,わたしたちはキーボードとマウス以上のパソコンの入力インターフェイスを知らない。だが,わたしたちはいつまで,キーボードとマウスを使い続けるだろうか? キーボードとマウスがなくなる日が,何世代も先の未来のことだとは,思えない。そのとき,わたしたちはどんな入力インターフェイスを使っているのだろう?

 記事にある脳での直接の操作はときどき取りざたされるが,やっぱり外科手術を行わなければいけないようでは,普及しそうもない。それに,人のとりとめのない思考は,必ず操作の妨げとなる。そうなると,やっぱり現実味があるのは,声による操作だろう。音声認識は古くから少しずつだが進歩しているし,コンピュータ操作と思考との間に現在のキーボードとマウスと同じように,_しゃべらなければいけない_という壁があり,それでいて,キーボードとマウスより声を出すだけだから容易で汎用性がある。そしてそこにあるOSの姿は,やはりナレッジナビゲータだ(過去記事)。そのときコンピュータは,やっと道具ではなく,友人になれる。現在の思考は,そこで180度切り替わる。



 
[2005.01.19]
  激流流転


 ▼Rise eXeem Part Deux: An Introspective(Zeropaid.com)【英語】
  http://www.zeropaid.com/news/articles/auto/01062005e.php/


 激流は,どこにたどり着くのだろう。

quote:エクシーム(eXeem),それは未来のピア・トゥ・ピアだろうか? エクシームはビットトレントを新しい方向へと導く,もっともホットな存在だ。プログラムのコアは,効率的なダウンロードができるビットトレントを使用している。

 トレントサイトの閉鎖がバコバコ行われていくなかで(過去記事),昨年末からエクシームの非公開ベータ版のレビューがあちこちにあがっていた(Neowin.netの記事Mitosis Goldの記事)。で,スーパーノヴァ・オルグ(Suprnova.org)のサイトには今週中にパブリックベータがリリースされるとあるのだけど,ただ,やはり上記記事やレビューにある通り,サイドア(Cydoor)のアドウェアを含んでいるらしい。なので出ても試用が面倒だなと思ってたのだけど,先ほどスライクのフォーラムをみてたらエクシーム・ライトというアドウェアを除いたバージョンがリリースされていた。

 そのエクシーム・ライトを動かしてみると,エクシームの非公開ベータのバージョン0.18のまま,アドウェアを取り除いたもののようにみえる(pic)(そのため,使用するには0.18のシリアル・キーが必要)。匿名性が特にあるわけではなさそうなエクシームは,安全になるとはまったく云い切れないように思えるが,いままでのトレントファイルのダウンロードもでき,ビットトレントの利点はすべて利用できるのはよいだろう。カザーによるカザー・ライト殲滅をみてきただけに,エクシーム・ライトが存続できるのかわからないが,新しいビットトレントの道筋にはなりそうだ。



 
[2005.01.17]
  ネズミの賛美歌


 ▼Apple patches 'highly critical' iTunes bug(The Register)【英語】
  http://www.theregister.co.uk/2005/01/14/itunes_security_flap/


 そして,賛美歌(hymn)は鳴り止むことがない。

quote:アップル社は先日,セキュリティバグ修正のためにiTunesのアップデートを行った。このセキュリティバグは「m3u」「pls」の拡張子の長いURLを持つ悪質なプレイリストファイルによって,バッファオーバーフロー攻撃を受けてしまうもの。4.7.1へのアップデートによってこのバグは除くことができるが,同アップデートではiTunes ミュージックストアのDRM(デジタル権利管理)を取り除くユーティリティを使用不可にする更新もある(The Registerの記事)。

 数日前から告知されていたこのiTunesのアップデートなんだけど,セキュリティのバグがあるなんて話は,最初はなかった気がする。実際ソフトウェア・アップデートの画面(pic)には,いまも表記はなく,もちろんhymn過去記事キャッシュ)を使えなくしたことも書かれていない。「iPod shuffleへの対応」とか景気がよい話だけを書き,あとは「その他のパフォーマンスの向上」で全部ごまかすようなことをしているようだ。かなり子どもじみてきたな。

 ちなみにhymnでDRMを回避したファイル(iTunes以外の音楽プレイヤー,iPod以外の携帯プレイヤーでも再生できるようになる)を使用できなくする対処だけど,その対処に対する対処も進んでいる。JHymnなら,設定の「Unwanted atoms」という記入欄に「(iods)」と云う行を加えて処理を行えば,4.7.1で再生できるとのこと。「(iods)」を入れずに処理を行った曲は,4.7.1では再生できず,iPodと同期するとiPodからその曲が削除されるという話もある(未確認)。が,「(iods)」を残して処理すればまったく問題なし,JHymnの作者はそれを踏まえ,先を見越したアップデートを行うとのこと。The Registerの記事の最後にあるように,猫とネズミの追いかけっこは終わることなく続く。そして,猫は常に後ろからしかネズミを追いかけられない。アップルもガキみたいなしてんなよとしか云えない。



 
[2005.01.15]
  自己中心主義


 ▼拡大するフリー百科事典『ウィキペディア』の課題(WIRED NEWS)
  http://hotwired.goo.ne.jp/news/culture/story/20050113205.html


 「ウェブ上のことをまんま信じてしまう人間は,リアルでもNHKで云ってたから,朝日新聞に書いてあったから,などと云うことが多い。ネットワークで生きている人間なら,NHKや朝日新聞の報道など個人のブログと同じ信用度で接しているはずだ。そうでなければ,生きていけないのだから」。

quote:フリーのオンライン百科事典,ウィキペディアは2001年に誕生して以来,蓄積された項目は110万以上になっている。ウィキペディア・コミュニティに参加する人なら誰でも記事を執筆でき,ほかの人の記事を編集することもできる。結果,記事の正確さは参加者の自己管理的な性質によって保たれることになる。馬鹿げた記事を書いたり,他人の記事を台無しにするメンバーに悩まされることもあり,解決方法を探っている。

 「昔からなんでも,自分でやるのがいちばんだと思っている。もちろん自分にできないことがあるのはわかっている。絵やイラストを描くのは苦手で,やっても人にみせられるものにはならない。だからそんなのは人に任せてしまった方がよく,尊敬してそれを受け入れられる。だがほかの自分でできることは,なんでも自分で行った方がよい。それによってなんの不満も感じずにすむし,自分の望む最上のものにできる。そう思い続けてきて,いまも変わらない。

 だからわたしのような人間がウィキペディアに参加するのは,あまりよいことではないのかもしれない。実際に参加しているわけだが,ある面では他者と共同作業にならないよう注意をしている。それできちんと責任を負って,作業を行える。自己中心的と云われるかもしれないが,ネットワーク上ではその方が安全なのだ。一般の人のなかには,ウェブに書いてあることをなんでも本当だと信じる人もいるようだが,それはとてつもなく危険な行為だ。本当かどうかを見抜くのは自分でしかなく,それ以外に信頼できるものなどない。ネットワーク上で生きるなら,その点で究極的に自己中心的になるのが正解だ」。



 
[2005.01.13]
  10年後のメディア


 ▼最前列からの歴史的時期の眺望(asahi.com)
  http://www.asahi.com/english/svn/gillmor/TKY200501080171.html


 10年後に主幹となるメディアは,もうすでに表れている。ここ,に,ある。

quote:高速化された情報ネットワークは,パソコンだけでなくあらゆる高度化する機器を接続し,ネットワーク周辺にいる人々に大きな可能性をもたらす。ファイル共有の重要性は著作権侵害ではなく,普通の人々が互いに情報を交換し,助け合えると云うことだ。あらゆるメディアはパケットに収められ,世界中を移動するようになる。多くの人の生活が改善される一方,古いビジネスが廃れることになる。今回のコラムは,マーキュリー・ニュースでわたしが書く最後のコラムだ。あしたからは,オンラインの草の根ジャーナリズムを広げる企画へと乗り出す。

 「○対×」という思考をしたいのなら,新聞で十分だ。米国はよいか悪いか,小泉首相はよいか悪いか,巨人はよいか悪いか,新成人はよいか悪いか,などなど。どのニュースを扱い,どのニュースを扱わないか,どのような見出しをつけるか,社説などでどう扱うか,によって,○と×のどちらを選ぶべきかを勝手に決めてくれる。いや,新聞だけに限ることはない。世にある出版物もテレビも企業ニュースサイトも,その勝手に決めつける作業を行うことで地位を確立している。それが,ジャーナリズムと呼ばれるものだった。だが現在,ウェブをたくさんみている人たち,ブログにたくさん目を通している人たちは,そんなジャーナリズムにとらわれてはいけないことを知っている。

 そんなジャーナリズムはひとつの意見でしかなく,大概の場合,ほかにもっと知るべき意見や見解がある。わたしは戦争はあまり好きな方ではないが,新聞で支持している戦争よりはウェブで支持されている戦争の方が,より真っ当だと感じられることが多いだろう。新聞やテレビなどで述べられている意見は,あるブログのエントリーのちょっと下あたりの存在で十分だ。わたしも大好きだったダン・ギルモア氏のコラムは今回で終わり,ギルモアはサンノゼ・マーキュリー・ニュース社を退社して,ユーザー参加型のジャーナリズムのプロジェクトに参加する。楽しみにしたい(ダン・ギルモア氏のサイト)。



 
[2005.01.11]
  新春ガジェ天


 ▼Best of CES 2005 in Photos(PC WORLD)【英語】
  http://www.pcworld.com/news/article/0,aid,119229,00.asp


 「道具,物,手というものがなければ,いまになって思うのだが,私は生きのびられなかっただろう」(「人とこの世界」開高健)。そこにガジェット。

quote:今年の国際コンシューマー・エレクトロニクス・ショー(CES 2005)が終了する。ここでショーのなかから,いくつかクールな写真を紹介しよう。オレゴン・サイエンティフィック社のMP3プレイヤー,MP120(pic)は3.2フィートの深さの水中で30分間使用できる。魚には,触れないように。モトローラ社は携帯音楽プレイヤーを接続できるスノーボーダーのジャケットを発表するため,会場に雪の斜面を設置した(pic)。ジャケット(pic)のフードにはスピーカーとマイクロフォンが含まれており,ジャケット右腕部分の制御パッドで操作できる。ジャケットなんていらないって? ならばブルートゥース携帯電話と音楽プレイヤーを同時に使用できる帽子(pic)もある。アップルはiPodで動画を再生させる計画はないと云っているが,ナイコ社のアドオンデバイス(pic)を使えば可能になる。3.5インチのディスプレイで観ることができ,価格は199ドルか249ドルで初夏に発売予定。

 こういうガジェットは,ホントに楽しくなってうれしくなって欲しくなる。ぜひ記事ページにあるほかの製品もみて欲しい。やっぱり携帯MP3プレイヤーに一癖つけたような製品が多い。定番となっているiPodがつまらんと思う人向けの製品があれこれ出てくるのはうれしいことだ。ぐじゃぐじゃ邪魔なワイヤーがなくてすむ,↑のジャケットや帽子もそのひとつ。過去記事にMP3プレイヤー付きのサングラスなんてものもあったが,それと同じように,直接耳にスピーカーを付けてしまういろんな製品が表れてきているようだ。

 閑話休題。パソコンの前に座ってウェブをみて回ったり,メールを読み書きしたりチャットなどをしていると,手の動きは一定の動作の繰り返しになる。キーボード,マウス,ヘッドセットをしていればそのボタン。その動きだけですむ。あとはすべて頭のなかの作業で進んでいく。だから,ときにガジェットを取り出していじくり回すと,生きていることを実感できる。↑のジャケットの左腕の操作部なんて,みてるだけでゾクゾクしてくるぢゃないか。2005年も,よいガジェットをたくさん手に取れますよ〜に。



 
[2005.01.09]
  あしたの売り方


 ▼New York Times mulls charging Web readers(Computerworld)【英語】
  http://www.computerworld.com/developmenttopics/websitemgmt/story/0,10801,98808,00.html


 あなたは_なに_にお金を払っていますか? 欲しいものはネット上にすべてある。でもお金を払っているのはなぜですか? それがわかれば,あしたのメディアの売り方がわかるはずです。

quote:ニューヨーク・タイムズ紙は,ウェブサイトの有料化を検討しているが,即座にそれを行う計画はないと述べている。ライバルであるウォール・ストリート・ジャーナル紙は課金を行っているが,ニューヨーク・タイムズはユーザー登録を行うだけで無料だ。ニューヨーク・タイムズの広報は「わたしたちはビジネスモデルを検討するために現在のウェブサイトを批評し,検討を行っている」と述べている。課金は新しい収入源を得られることになるが,広告主にとっては多くの読者を得られる無料版の方が魅力的である。

 音楽CDの売り上げが減った,本や雑誌が売れなくなった,DVDも以前のビデオほど売れてない,ゲームも昔のような売り上げは見込めない,そんな話ばかりをきく。で,一部のアホはファイル共有がどぉのこぉのとか,携帯電話にお金を取られているからとか,そんな理由づけをしている。だが,そんなレベルの話だろうか。時代によって音楽が爆発的に売れた時代もあれば,書籍が爆発的に売れた時代もあった。いつも売り上げには波がある。だが,音楽も動画も書籍も全部すべてが売れなくなっているのだから,これはそのうちヒット作が出れば回復する,という次元の問題ではない。メディアを売る,新しい方法が必要になってきている。

 ネットワーク上にすべての情報が集積されており,検索によって必要なものが取り出せる状況では,いままでのように文字や音楽や動画に金銭的価値は期待できない。だが,お金を払うべきだと思っている人間はたくさんいる(過去記事)。そこに,新しいメディアを売る商売の仕方が存在する。ニューヨーク・タイムズも,ただ有料にして金を取れば将来ずっと安泰になると思えないから,すぐにそれを実行できず,議論をしているのだ。iTunes ミュージックストアなんて昔と変わらないメディアの売り方でしかなく,たどり着くべき結末は,別にある。世界は,変化を必要としている。



 
[2005.01.07]
  世界を包むもの


 ▼Wi-Fi探知機、4製品をレビュー(WIRED NEWS)
  http://hotwired.goo.ne.jp/news/technology/story/20050106303.html


 「幸せは探すとみつからない。そして,幸せを得ている人はその幸せに気付かない。早く幸せに包まれたいものだ,と若いころはいつも思っていたさ」。

quote:Wi-Fiネットワークの信号の存在と強さ,さらにはネットワークの名前までも知ることができるカナリー・ワイヤレス社のデジタル・ホットスポッターが発売された。だが価格がやや高く,サイズもちょっと大きい。同種の製品でもっとも性能が安定しているのは,クリサリス社Wi-Fiシーカー。キーホルダーにもつけられるサイズで,信号強度の情報がすぐさま更新される。

 「昔はWi-Fiのある場所を探して,あっちのカフェ,こっちのカフェと渡り歩いたもんさ,とおじいさんは云いました。いまでは世界中のどの街でも,Wi-Fiにアクセスできないことはありません。そう云えばおじいさんの話では,昔は携帯電話がそんな感じだったそうです。携帯電話はいまと違い独自のネットワークで通話やメールのやりとりをするようになっていて,その独自のネットワークの適用範囲であれば,ほとんどどこでも使えたときいたことがあります。が,独自ネットワークなんだからそれに対応した携帯電話しか使えません。いまのような,すべての携帯電話がWi-Fiによって通話もメールもやりとりしている時代からみると,そんなムダばかりのことをしていたなんて考えることもできませんけど。

 ウォー・ドライビングと云う言葉を知ってるかとおじいさんは続けて云いました。なにそれ? と訊くと,タダで勝手に使えるWi-Fiを街中で探しまくることさと教えてくれました。昔は山手線を1周すると,100ヶ所ぐらいの利用可能なWi-Fiをみつけられたんだと云います(@ITの記事)。…すべての情報があるネットワークにアクセスするために,特定の場所に移動したり無断で探しまくったりしなくちゃいけなかったなんて,なんかヘンテコな時代だと思います。空気のある場所を探して歩き回らなければいけない土地でなんてわたしたちは生きていけないだろうに,それとおんなじことに感じます。ヘンテコだった時代が昔のことになってくれて,わたしは,助かってます。て云うか,そんなヘンテコなところぢゃ,少しも生きてけないよ」。



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